ロート・ブルーメ~赤花~
紅夜は迷いもなく上座に座り、あたしをその隣の椅子に座る様うながした。
大きなテーブルの席には幹部と思われる人達が既に揃っていて、近くの席には愁一さんもいる。
あたし達が座ったのを確認すると、その愁一さんが「じゃあ、始めるか」と口にした。
そして紅夜が真っ先に口を開く。
「まずは、コイツ俺の女だから顔覚えておけ。手ェ出すんじゃねぇぞ」
軽い調子にも聞こえる淡々とした声音。
でもヒヤッとする凄みを感じる。
同時に、一斉にあたしに視線が集まった。
「っ!」
ビクッとしそうになるけれど、あまり表情には出さないように心がける。
紅夜の――総長の女なのに弱いと思われるのはなんだか嫌だった。
周囲の視線は何て言うか……本当にいたのかって感じで驚きが含まれているものが多かった。
悪意の視線ではなかったけれど、強面の男達から注がれる視線は身をすくませるには十分だった。
そんなあたしに気づいたんだろう。
紅夜は身を乗り出してあたしの肩を抱くように引き寄せた。
「やっぱ緊張するか?」
あたしだけに聞こえるように囁いた紅夜は、そのままみんなの目の前でキスをした。
「んっ」
触れるだけだけれど、最後にペロリと舐められ緊張すら羞恥に変わる。
大きなテーブルの席には幹部と思われる人達が既に揃っていて、近くの席には愁一さんもいる。
あたし達が座ったのを確認すると、その愁一さんが「じゃあ、始めるか」と口にした。
そして紅夜が真っ先に口を開く。
「まずは、コイツ俺の女だから顔覚えておけ。手ェ出すんじゃねぇぞ」
軽い調子にも聞こえる淡々とした声音。
でもヒヤッとする凄みを感じる。
同時に、一斉にあたしに視線が集まった。
「っ!」
ビクッとしそうになるけれど、あまり表情には出さないように心がける。
紅夜の――総長の女なのに弱いと思われるのはなんだか嫌だった。
周囲の視線は何て言うか……本当にいたのかって感じで驚きが含まれているものが多かった。
悪意の視線ではなかったけれど、強面の男達から注がれる視線は身をすくませるには十分だった。
そんなあたしに気づいたんだろう。
紅夜は身を乗り出してあたしの肩を抱くように引き寄せた。
「やっぱ緊張するか?」
あたしだけに聞こえるように囁いた紅夜は、そのままみんなの目の前でキスをした。
「んっ」
触れるだけだけれど、最後にペロリと舐められ緊張すら羞恥に変わる。