ロート・ブルーメ~赤花~
矛盾してるって思う。
でも多分、その矛盾は紅夜なりの葛藤なのかもしれない。
何にしてもあたしは紅夜の望んだ通りの選択肢を選んだ。
それはあたしの望みでもあったから。
どんなに危険でも、紅夜が悪いオトコでも、それでも紅夜という人物を知りたかった。
そうして知った紅夜は……。
「紅夜は自分のこと悪いオトコって言ってたけど、やっぱりあたしにはそこまで悪いとは思えないよ」
彼の全てを知った訳じゃない。
初めて会ってから数日しか経ってない。
それでも分かったことはある。
「はじめは怖いと思うこともあったけど、それでも惹かれたし……それに今は何だかとても甘やかされてる気がするし……」
見下ろしてくる微笑みも何だか甘く感じて、恥ずかしくて顔を逸らしたいのに頬に手をそえられているから逸らせない。
「それはお前がマイナ・ゾンネだからだよ。……昨日、俺の手に落ちてきた時点では泣き叫ぼうがやっぱり嫌だと言っても離さないと思ってた」
ほの暗い色が紅夜の瞳に揺らめいて、ゾクリとする。
どんなにあたしに甘くなっても、その暗い部分は彼の中に存在しているんだと実感した。
でも多分、その矛盾は紅夜なりの葛藤なのかもしれない。
何にしてもあたしは紅夜の望んだ通りの選択肢を選んだ。
それはあたしの望みでもあったから。
どんなに危険でも、紅夜が悪いオトコでも、それでも紅夜という人物を知りたかった。
そうして知った紅夜は……。
「紅夜は自分のこと悪いオトコって言ってたけど、やっぱりあたしにはそこまで悪いとは思えないよ」
彼の全てを知った訳じゃない。
初めて会ってから数日しか経ってない。
それでも分かったことはある。
「はじめは怖いと思うこともあったけど、それでも惹かれたし……それに今は何だかとても甘やかされてる気がするし……」
見下ろしてくる微笑みも何だか甘く感じて、恥ずかしくて顔を逸らしたいのに頬に手をそえられているから逸らせない。
「それはお前がマイナ・ゾンネだからだよ。……昨日、俺の手に落ちてきた時点では泣き叫ぼうがやっぱり嫌だと言っても離さないと思ってた」
ほの暗い色が紅夜の瞳に揺らめいて、ゾクリとする。
どんなにあたしに甘くなっても、その暗い部分は彼の中に存在しているんだと実感した。