ロート・ブルーメ~赤花~
「……それにしても、来るの少し遅かったんじゃないか? あいつら買い出しにそんなに時間かかったの?」
二人と別れて少し歩くと紅夜が聞いてきた。
「あ、それは……」
隆志さんと話していたからだけれど、言って良いものか……。
少し迷ったけれど、悪いことをしたわけじゃない。
それに、紅夜は隆志さんがああやって街を眺めていることを知っているのかが気になった。
「……隆志さん、紅夜の養父に会って話したの。紅夜はあの人がたまに街を眺めているの知ってるの?」
あたしの話を聞いて紅夜は明らかに驚いた顔をした。
でも、驚愕とかいうほどのものじゃない。
「シュウに聞いてたから見に来てるのは知ってたけど……。何? あの人と何話したの?」
紅夜が気になったのはそっちの方だったらしい。
「え? 紅夜のこととか、隆志さん自身のこととか」
「マジかよ。あの人俺のことなんて言ってた? 変なこと言ってないよな?」
「言ってないと思うよ? 紅夜をよろしくってお願いされただけだし……」
「よろしくって……養父さんにそういう事言われんのが一番恥ずかしいんだけど……」
そう言って紅夜は項垂れた。
ちょっと耳が赤い。
二人と別れて少し歩くと紅夜が聞いてきた。
「あ、それは……」
隆志さんと話していたからだけれど、言って良いものか……。
少し迷ったけれど、悪いことをしたわけじゃない。
それに、紅夜は隆志さんがああやって街を眺めていることを知っているのかが気になった。
「……隆志さん、紅夜の養父に会って話したの。紅夜はあの人がたまに街を眺めているの知ってるの?」
あたしの話を聞いて紅夜は明らかに驚いた顔をした。
でも、驚愕とかいうほどのものじゃない。
「シュウに聞いてたから見に来てるのは知ってたけど……。何? あの人と何話したの?」
紅夜が気になったのはそっちの方だったらしい。
「え? 紅夜のこととか、隆志さん自身のこととか」
「マジかよ。あの人俺のことなんて言ってた? 変なこと言ってないよな?」
「言ってないと思うよ? 紅夜をよろしくってお願いされただけだし……」
「よろしくって……養父さんにそういう事言われんのが一番恥ずかしいんだけど……」
そう言って紅夜は項垂れた。
ちょっと耳が赤い。