ロート・ブルーメ~赤花~
そのまま唇が落とされる。
「んっ」
触れて、リップ音付きで離れた彼の唇が囁く。
「じゃあ、高校出たら。大学生になったら、同棲も良いだろ?」
「そう、だね」
先のことは分からないけれど、今は望みだけを口にする。
そうしたいって、思ったのは事実なんだから。
チュッ
紅夜の唇がまた触れてきた。
彼の手が腰を抱き、キスも深くなってくる。
「んっこう、や……ちょっと」
「んっだめ、もっと欲しい」
求められる喜びに身を震わせるけれど、あたしは心を鬼にした。
「っっっダメ! 魚焦げちゃう!」
叫ぶように言って紅夜の体を離す。
「もう! 料理中はキッチンに入って来るの禁止!」
それくらいしないと同じことを繰り返しそうだと思った。
「えー?」
紅夜は不満そうに声を上げるけれど、理解はしてくれているからか言うとおりにキッチンから出て行ってくれる。
でも出ていく直前に軽く振り返り――。
「じゃあ、代わりに後でたっぷりその唇も頂くから」
不敵に微笑んで、今度こそ彼はリビングに向かった。
「っ!?」
紅夜の言葉や仕草一つ一つに一々心臓が反応してすでに身が持たない。
彼の彼女になって一週間。
元々魅力的だった紅夜に甘さがどんどん加わってあたしの心は何度溶けそうになったことか。
今もそんな感じで溶けそうになって、代わりに料理を焦がしそうになって少し慌てたのは秘密だ。
「んっ」
触れて、リップ音付きで離れた彼の唇が囁く。
「じゃあ、高校出たら。大学生になったら、同棲も良いだろ?」
「そう、だね」
先のことは分からないけれど、今は望みだけを口にする。
そうしたいって、思ったのは事実なんだから。
チュッ
紅夜の唇がまた触れてきた。
彼の手が腰を抱き、キスも深くなってくる。
「んっこう、や……ちょっと」
「んっだめ、もっと欲しい」
求められる喜びに身を震わせるけれど、あたしは心を鬼にした。
「っっっダメ! 魚焦げちゃう!」
叫ぶように言って紅夜の体を離す。
「もう! 料理中はキッチンに入って来るの禁止!」
それくらいしないと同じことを繰り返しそうだと思った。
「えー?」
紅夜は不満そうに声を上げるけれど、理解はしてくれているからか言うとおりにキッチンから出て行ってくれる。
でも出ていく直前に軽く振り返り――。
「じゃあ、代わりに後でたっぷりその唇も頂くから」
不敵に微笑んで、今度こそ彼はリビングに向かった。
「っ!?」
紅夜の言葉や仕草一つ一つに一々心臓が反応してすでに身が持たない。
彼の彼女になって一週間。
元々魅力的だった紅夜に甘さがどんどん加わってあたしの心は何度溶けそうになったことか。
今もそんな感じで溶けそうになって、代わりに料理を焦がしそうになって少し慌てたのは秘密だ。