ロート・ブルーメ~赤花~
エレベーターのある開けた場所まで、特に何の邪魔も入らずスムーズに進んだ。
紅夜は先に地下へ行くと言って数十分前にここで別れた。
その程度の時間だとまだ地下にいるかもしれない。
地下には電波が届かないみたいだから、今の状況を紅夜はまだ知らない可能性が高い。
このままじゃ、何も知らない紅夜がエレベーターを出たところに鉢合わせしてしまう。
紅夜は強いけど、あたしという人質までいる状況だとどうなってしまうのか……。
嫌な想像ばかりが脳内を占める。
そうして、ついにエレベーターの扉が開いてしまった。
Kや大柄な男の姿を目にした時点で紅夜は即座に戦闘態勢に入る。
でも、状況把握のためか見回してあたしと目が合うと、隠しきれない動揺がその綺麗な顔に浮かんだ。
「……美桜?」
「紅夜っ……!」
助けを求めたい言葉をギリギリで留める。
そうして求めた結果、紅夜がひどい目に遭ったらその方が嫌だったから。
どちらにしろ、この場の主導権はあたし達になかった。
「君が紅夜か……。なるほど、綺麗な顔をしている」
Kが楽しそうに目を細める。
そして、あたしの方へと近づいてきた。
紅夜は先に地下へ行くと言って数十分前にここで別れた。
その程度の時間だとまだ地下にいるかもしれない。
地下には電波が届かないみたいだから、今の状況を紅夜はまだ知らない可能性が高い。
このままじゃ、何も知らない紅夜がエレベーターを出たところに鉢合わせしてしまう。
紅夜は強いけど、あたしという人質までいる状況だとどうなってしまうのか……。
嫌な想像ばかりが脳内を占める。
そうして、ついにエレベーターの扉が開いてしまった。
Kや大柄な男の姿を目にした時点で紅夜は即座に戦闘態勢に入る。
でも、状況把握のためか見回してあたしと目が合うと、隠しきれない動揺がその綺麗な顔に浮かんだ。
「……美桜?」
「紅夜っ……!」
助けを求めたい言葉をギリギリで留める。
そうして求めた結果、紅夜がひどい目に遭ったらその方が嫌だったから。
どちらにしろ、この場の主導権はあたし達になかった。
「君が紅夜か……。なるほど、綺麗な顔をしている」
Kが楽しそうに目を細める。
そして、あたしの方へと近づいてきた。