ロート・ブルーメ~赤花~
真実
……赤い。
……どこまでも赤く広がるロート・ブルーメの花畑。
その中心に一人立っているのは、その花達にそっくりな人。
金糸の髪はまるで花達を照らす太陽の様で、美しく儚げだった。
あれは紅夜だ。
今よりも少し幼さが残る顔立ち。
そう。
あたしは二年前、あのロート・ブルーメの花畑で紅夜に会ったんだ……。
二年前。
高校受験を控えていて、精神的に滅入っていた頃。
すでにお父さんも出張が多くなっていて、心のよりどころが少なかった。
あの日はお母さんとも些細なことで言い争いになって、誰か他の人に寄りかかりたかった。
それで思い出したのが叔母さんのこと。
黎華街は危険な街だと聞いていたけれど、まだ夕方だったし真っ直ぐ大通りを行けば家に着くということは聞いていた。
だから、あたしは心の拠り所を探しに黎華街に入り……。
そして迷って、地下へと入り込んでしまったんだ。
……どこまでも赤く広がるロート・ブルーメの花畑。
その中心に一人立っているのは、その花達にそっくりな人。
金糸の髪はまるで花達を照らす太陽の様で、美しく儚げだった。
あれは紅夜だ。
今よりも少し幼さが残る顔立ち。
そう。
あたしは二年前、あのロート・ブルーメの花畑で紅夜に会ったんだ……。
二年前。
高校受験を控えていて、精神的に滅入っていた頃。
すでにお父さんも出張が多くなっていて、心のよりどころが少なかった。
あの日はお母さんとも些細なことで言い争いになって、誰か他の人に寄りかかりたかった。
それで思い出したのが叔母さんのこと。
黎華街は危険な街だと聞いていたけれど、まだ夕方だったし真っ直ぐ大通りを行けば家に着くということは聞いていた。
だから、あたしは心の拠り所を探しに黎華街に入り……。
そして迷って、地下へと入り込んでしまったんだ。