ロート・ブルーメ~赤花~
「こんにちは、美桜です」
『あ、ああ。どうしたんだい? 突然――』
「紅夜が花を狙う連中に捕まって地下に連れて行かれました。すぐに来てください」
『っ紅夜が?』
前置きなんてしている時間はない。
簡潔に用件を伝えた。
『すぐに人を送ろう。確実に救出する』
その言葉にあたしは理性で抑えていた怒りを噴出させる。
「聞こえませんでしたか? 来てくださいって言ったんです」
『え? いや、だが私が行っても……』
こんな状況でもためらう隆志さんに、あたしは怒鳴りつける。
「実の息子の危機に、父親が駆け付けないでどうするんですか!?」
『なっ!?』
「……隆志さん。紅夜が自分の息子かも知れないって思ったことはないんですか?」
『一度は、ある。……だが、髪や目の色が違うし……』
「だから、調べることもしなかったと?」
『うっ……』
流石に一度くらいは調べているんだと思った。
紅夜のお母さんのことを好きだったらしい隆志さんだから、その可能性が少しでもあるのなら一度は調べているはずだって。
でも……。
『だが、誰より紅夜が産まれるまでを一番近くで見ていた美玲が違うと言ったから……』
「……やっぱり、そうでしたか……」
『あ、ああ。どうしたんだい? 突然――』
「紅夜が花を狙う連中に捕まって地下に連れて行かれました。すぐに来てください」
『っ紅夜が?』
前置きなんてしている時間はない。
簡潔に用件を伝えた。
『すぐに人を送ろう。確実に救出する』
その言葉にあたしは理性で抑えていた怒りを噴出させる。
「聞こえませんでしたか? 来てくださいって言ったんです」
『え? いや、だが私が行っても……』
こんな状況でもためらう隆志さんに、あたしは怒鳴りつける。
「実の息子の危機に、父親が駆け付けないでどうするんですか!?」
『なっ!?』
「……隆志さん。紅夜が自分の息子かも知れないって思ったことはないんですか?」
『一度は、ある。……だが、髪や目の色が違うし……』
「だから、調べることもしなかったと?」
『うっ……』
流石に一度くらいは調べているんだと思った。
紅夜のお母さんのことを好きだったらしい隆志さんだから、その可能性が少しでもあるのなら一度は調べているはずだって。
でも……。
『だが、誰より紅夜が産まれるまでを一番近くで見ていた美玲が違うと言ったから……』
「……やっぱり、そうでしたか……」