ロート・ブルーメ~赤花~
目を閉じて思う。
叔母さん……なんという罪を犯してくれたのか……。
身内の罪を悔しく思う。
『……まさか、美玲が嘘を……?』
驚愕の声に、あたしは真実を伝えた。
「隆志さん、お互いの誕生石を使ったネックレスを贈ったって言ってましたよね? 紅夜のお母さんの誕生石はルビーですか?」
『あ、ああ』
「叔母さんが言っていたんです。紅夜の母親がもらったものを作り直して紅夜に渡したって。女性もののペンダントだったから、石だけバラして作ったって」
『そのペンダントとは、もしかして……』
「あなたが紅夜のお母さんに渡したものですよ」
と、あたしは断言した。
『だ、だが、私の誕生石はどこにも……それに父親から貰ったというあのシルバーリングだって――』
「隆志さん。このシルバーリングにはシークレットストーンがあるんですよ?」
『……え?』
「外側からは見えない内側の部分に。あなたの四月の誕生石であるダイアモンドが」
『――っ!』
「おばさんは嘘をついたけれど、罪悪感もあったんでしょうね。こんな形でヒントだけ残すなんて……」
『……』
電話の向こうで黙り込んだ隆志さん。
そんな彼にあたしはもう一度言った。
「隆志さん、紅夜の危機です。来てください」
『……すぐに向かう』
短くともしっかりとした声が返ってくると、通話が切れた。
叔母さん……なんという罪を犯してくれたのか……。
身内の罪を悔しく思う。
『……まさか、美玲が嘘を……?』
驚愕の声に、あたしは真実を伝えた。
「隆志さん、お互いの誕生石を使ったネックレスを贈ったって言ってましたよね? 紅夜のお母さんの誕生石はルビーですか?」
『あ、ああ』
「叔母さんが言っていたんです。紅夜の母親がもらったものを作り直して紅夜に渡したって。女性もののペンダントだったから、石だけバラして作ったって」
『そのペンダントとは、もしかして……』
「あなたが紅夜のお母さんに渡したものですよ」
と、あたしは断言した。
『だ、だが、私の誕生石はどこにも……それに父親から貰ったというあのシルバーリングだって――』
「隆志さん。このシルバーリングにはシークレットストーンがあるんですよ?」
『……え?』
「外側からは見えない内側の部分に。あなたの四月の誕生石であるダイアモンドが」
『――っ!』
「おばさんは嘘をついたけれど、罪悪感もあったんでしょうね。こんな形でヒントだけ残すなんて……」
『……』
電話の向こうで黙り込んだ隆志さん。
そんな彼にあたしはもう一度言った。
「隆志さん、紅夜の危機です。来てください」
『……すぐに向かう』
短くともしっかりとした声が返ってくると、通話が切れた。