ロート・ブルーメ~赤花~
「あ、うん。紅夜が地下に連れて行かれる前に口移しで飲ませたの。……あ、紅夜が腕使えない状態だったからだよ!?」
「ああ、そういうことか」
切羽詰まった状況のときに何してんだって思っちまった、と愁一さんが笑う。
ちゃんと付け加えて説明しておいて良かった。
「そっか、もしかしたらそれで美桜の記憶が戻ったのかも知れないわね」
「え?」
「口移しなら少しは中和剤を飲み込んだってことでしょう? それだけが原因ではないと思うけれど、少しは何か作用したのかもしれないわ」
「……確かに」
思い返せば、頭痛がひどくなったのは口移しをした後からだった。
その前からチリチリと焼けるように熱を持ったりとかはしていたけれど、痛みを伴うほどになったのはあのときからだ。
「二年前のことでも効果があるのかしら? 興味深いわね」
と、研究者の顔になってぶつぶつ言い始める。
そんな叔母さんに、あたしはさっきの話の答えを求めた。
「それよりもさっきの話! 火の海って何? 計画って?」
「あ、ああ。ごめんなさい」
周りが見えなくなりかけていた叔母さんは慌てて謝罪する。
そして話してくれた。
「ああ、そういうことか」
切羽詰まった状況のときに何してんだって思っちまった、と愁一さんが笑う。
ちゃんと付け加えて説明しておいて良かった。
「そっか、もしかしたらそれで美桜の記憶が戻ったのかも知れないわね」
「え?」
「口移しなら少しは中和剤を飲み込んだってことでしょう? それだけが原因ではないと思うけれど、少しは何か作用したのかもしれないわ」
「……確かに」
思い返せば、頭痛がひどくなったのは口移しをした後からだった。
その前からチリチリと焼けるように熱を持ったりとかはしていたけれど、痛みを伴うほどになったのはあのときからだ。
「二年前のことでも効果があるのかしら? 興味深いわね」
と、研究者の顔になってぶつぶつ言い始める。
そんな叔母さんに、あたしはさっきの話の答えを求めた。
「それよりもさっきの話! 火の海って何? 計画って?」
「あ、ああ。ごめんなさい」
周りが見えなくなりかけていた叔母さんは慌てて謝罪する。
そして話してくれた。