ロート・ブルーメ~赤花~
***
ロート・ブルーメの花畑の中。
一人たたずむ幼さの残る16歳の紅夜。
はじめは驚いて警戒されてしまったけれど、叔母さんの姪だと分かると警戒を解いて色々話をしてくれた。
紅夜の金の髪が綺麗で、太陽のようにきらめいて見えたから「花達の太陽はあなただね」って言ったあたしに、紅夜は寂し気に返した。
「花達の太陽か……俺が太陽だから、俺にとっての太陽は現れないのかも知れないな」
と……。
その顔があまりにも寂しそうだったから、つい無責任にも言ってしまったんだ。
「あたしがあなたの太陽になるよ。それで、ずっと一緒にいてあげる」
って。
あのときは紅夜の抱えているものの半分も理解していなかったから出た気軽な言葉。
でもすべてを知ってしまった今は、その言葉の重さも理解している。
理解した上で、その約束を守ろうと思った。
ずっと一緒にいたい。
それは、あたしの望みにもなったから。
あのときの紅夜の、泣きそうな笑顔を思い出してあたしは夢から覚めた。
ロート・ブルーメの花畑の中。
一人たたずむ幼さの残る16歳の紅夜。
はじめは驚いて警戒されてしまったけれど、叔母さんの姪だと分かると警戒を解いて色々話をしてくれた。
紅夜の金の髪が綺麗で、太陽のようにきらめいて見えたから「花達の太陽はあなただね」って言ったあたしに、紅夜は寂し気に返した。
「花達の太陽か……俺が太陽だから、俺にとっての太陽は現れないのかも知れないな」
と……。
その顔があまりにも寂しそうだったから、つい無責任にも言ってしまったんだ。
「あたしがあなたの太陽になるよ。それで、ずっと一緒にいてあげる」
って。
あのときは紅夜の抱えているものの半分も理解していなかったから出た気軽な言葉。
でもすべてを知ってしまった今は、その言葉の重さも理解している。
理解した上で、その約束を守ろうと思った。
ずっと一緒にいたい。
それは、あたしの望みにもなったから。
あのときの紅夜の、泣きそうな笑顔を思い出してあたしは夢から覚めた。