ロート・ブルーメ~赤花~
狼に食される
ネオンの光もわずかしか届かない、真っ暗な路地。
歩けるところがあるというのがかろうじて分かる程度。
そこを進むと、少し開けた場所にエレベーターの扉が見える。
紅夜はためらいもなくそのエレベーターの上のボタンを押した。
すぐに開いた扉の中に入ると、紅夜は階数ボタンより先に扉を閉める。
それを少し不思議に思っていると、ボタンの上の階数が表示される場所に彼は顔を近付けた。
『認証完了致しました』
エレベーター内に響く機械音声。
これって……顔認証システム?
どうしてエレベーターに顔認証システムが? と思ったと同時に、新たな階数ボタンが表示された。
そしてその中の一番大きい数字を押す紅夜。
一通りの流れを見ていたあたしはポカンと口を開けて彼を見ていた。
そんなあたしを見て紅夜はフッと唇を弓月形にする。
「見ての通り、俺しか入れない俺の家。だから誰も入ってこられない。安全だけど……美桜にとってはどうかな?」
妖艶に笑う紅夜は意地悪だ。
ここまで付いてきてしまった時点でもう逃げられないし、ある程度の覚悟は出来てる。
それを分かっていてそんな質問をするんだから。
歩けるところがあるというのがかろうじて分かる程度。
そこを進むと、少し開けた場所にエレベーターの扉が見える。
紅夜はためらいもなくそのエレベーターの上のボタンを押した。
すぐに開いた扉の中に入ると、紅夜は階数ボタンより先に扉を閉める。
それを少し不思議に思っていると、ボタンの上の階数が表示される場所に彼は顔を近付けた。
『認証完了致しました』
エレベーター内に響く機械音声。
これって……顔認証システム?
どうしてエレベーターに顔認証システムが? と思ったと同時に、新たな階数ボタンが表示された。
そしてその中の一番大きい数字を押す紅夜。
一通りの流れを見ていたあたしはポカンと口を開けて彼を見ていた。
そんなあたしを見て紅夜はフッと唇を弓月形にする。
「見ての通り、俺しか入れない俺の家。だから誰も入ってこられない。安全だけど……美桜にとってはどうかな?」
妖艶に笑う紅夜は意地悪だ。
ここまで付いてきてしまった時点でもう逃げられないし、ある程度の覚悟は出来てる。
それを分かっていてそんな質問をするんだから。