ロート・ブルーメ~赤花~
起き上がるとお互い半裸の状態で、あたしは思わず両手で体を隠す。
「隠しきれてねぇよ」
と頬に唇を落とした紅夜はベッドを下りて部屋の入口の方へ向かった。
その間にYシャツの前ボタンを閉めていると、紅夜がハンガーにかけられた状態の制服を持ってきてくれる。
そっちに置いてくれてたんだ……。
「ほら、着替えな。俺も着替えてくるから」
「ありがとう……」
受け取ると紅夜は奥の方へ行ってしまう。
あたしも着替えて身だしなみを整えた。
そうして気付く。
「あれ? リボンは?」
確か、紅夜に解かれて……。
そのあとは分からない。
そのままベッドの近くに置かれたのかと思って探してると、着替え終えた紅夜が「どうした?」と近付いてきた。
今日の服装は斜めボタンが珍しいデザインの黒いシャツだった。
そんなデザインのものも着こなしていてカッコいいな……とうっかり見惚れてしまう。
「なあ、どうしたって聞いたんだけど?」
「っあ、えと……リボンどこかな、と思って探してたの」
「ああ」
それか、と理解してくれた紅夜はベッドサイドにあるナイトチェストの引き出しを開けて赤いリボンを取り出す。