ロート・ブルーメ~赤花~
そこに入れてたのか、と思ったけれどあたしのものではなさそうだった。
だって、そのリボンは真ん中に立体的な赤い花のモチーフがつけられていたから。
「次からはこれつけて来いよ」
「……何か違うの?」
わざわざ別のものを渡してくる理由が分からず聞くと、紅夜は軽く笑って「秘密」と返してきた。
良くは分からないけれど、用途としては変わらないだろうと思って受け取っておく。
それに、紅夜から貰ったものとなると少し特別になる気がした。
それを嬉しいと思っている辺り、あたしは心もすっかり紅夜のものになってしまっているんだなと自覚する。
「うん、ありがとう……」
「で? 今晩も来てくれんの?」
「え?」
考えてすらいなかった言葉に驚いて顔を上げると、スッと目を細められた。
相も変わらず冷たいのに、妖艶さすら漂わせる視線に絡めとられる。
紅夜の視線はあたしをすぐに捕えてしまう。
「何で驚いてんの? 一晩じゃ足りないって言っただろ?」
「あ、それは分かってるんだけど……」
昨日言われたことでもあるから、それは分かっている。
それに、あたしもまた会いたいと思っているから……。
だって、そのリボンは真ん中に立体的な赤い花のモチーフがつけられていたから。
「次からはこれつけて来いよ」
「……何か違うの?」
わざわざ別のものを渡してくる理由が分からず聞くと、紅夜は軽く笑って「秘密」と返してきた。
良くは分からないけれど、用途としては変わらないだろうと思って受け取っておく。
それに、紅夜から貰ったものとなると少し特別になる気がした。
それを嬉しいと思っている辺り、あたしは心もすっかり紅夜のものになってしまっているんだなと自覚する。
「うん、ありがとう……」
「で? 今晩も来てくれんの?」
「え?」
考えてすらいなかった言葉に驚いて顔を上げると、スッと目を細められた。
相も変わらず冷たいのに、妖艶さすら漂わせる視線に絡めとられる。
紅夜の視線はあたしをすぐに捕えてしまう。
「何で驚いてんの? 一晩じゃ足りないって言っただろ?」
「あ、それは分かってるんだけど……」
昨日言われたことでもあるから、それは分かっている。
それに、あたしもまた会いたいと思っているから……。