ロート・ブルーメ~赤花~
路地裏に投げ込まれたヘアクリップ。
それを探しに行くだけのために黎華街に向かうことも出来ない。
行ったとしても見つけられる可能性は低い。
だから、諦めるしかない。
そう思っていたんだけど……。
「ううん、あたしが悪いんだよ。バカ正直にあれが美桜のものだなんて言っちゃったから……。あの人から取り返せなくて、ごめん」
「取り返す?」
日葵は何を言っているんだろう?
あの人って?
疑問に思っていると、日葵は制服のポケットから小さめの可愛い絵柄がプリントされた保存バックを取り出した。
「これ」
と手渡されたそれを受け取って中身を見ると、男物のシルバーリングが入っていた。
「これは?」
「それと交換だって。これとヘアクリップを交換してくれるって。ただし、持ち主である美桜が直接来なきゃ渡さないって言われて……」
え?
何?
どう言うこと?
「あの人って……?」
「あたし達を助けてくれた怖い人。金髪の……コウヤって呼ばれてたっけ」
「こう、やっ……」
どうして紅夜が?
彼はヘアクリップの事なんて何も言っていなかったのに。
混乱しそうになる頭の中で、昨日見たワンシーンが思い出された。
それを探しに行くだけのために黎華街に向かうことも出来ない。
行ったとしても見つけられる可能性は低い。
だから、諦めるしかない。
そう思っていたんだけど……。
「ううん、あたしが悪いんだよ。バカ正直にあれが美桜のものだなんて言っちゃったから……。あの人から取り返せなくて、ごめん」
「取り返す?」
日葵は何を言っているんだろう?
あの人って?
疑問に思っていると、日葵は制服のポケットから小さめの可愛い絵柄がプリントされた保存バックを取り出した。
「これ」
と手渡されたそれを受け取って中身を見ると、男物のシルバーリングが入っていた。
「これは?」
「それと交換だって。これとヘアクリップを交換してくれるって。ただし、持ち主である美桜が直接来なきゃ渡さないって言われて……」
え?
何?
どう言うこと?
「あの人って……?」
「あたし達を助けてくれた怖い人。金髪の……コウヤって呼ばれてたっけ」
「こう、やっ……」
どうして紅夜が?
彼はヘアクリップの事なんて何も言っていなかったのに。
混乱しそうになる頭の中で、昨日見たワンシーンが思い出された。