ロート・ブルーメ~赤花~
「っ!」
そのことに嬉しいとか恥ずかしいとかって思いを浮かべるより先に、もう一つのことに思い当たった。
『その女、お前の女じゃないのか?』
そう言ったのは、日葵からヘアクリップを奪い取って路地裏に投げ込んだ男。
あたし達を襲って、日葵をどうにかしようとしていた男。
あれは、つまり……。
「あ……じゃあ、日葵が襲われたのは……」
あたしのせいだ……。
頭のてっぺんから、血の気がサァー……と落ちていくような感覚がした。
「っごめんなさい日葵……昨日襲われたのって、あたしがあのヘアクリップを渡したから……っ!」
知らなかったこととはいえ、あの赤い花のモチーフが付いたものでなければ襲われることはなかったんだ。
「落ち着いて美桜。わざとじゃないのは分かってるから」
「でも……でも!」
「大丈夫!」
取り乱すあたしを日葵は抱きしめて背中をポンポンと叩いてくれた。
「あたしは気にしてないから――って言っても美桜は気にしちゃうよね……」
人の体温に少しだけ落ち着いたあたしに、日葵は申し訳なさそうな笑みを向ける。
「だからあたしも懺悔させて?」
「ざん、げ?」
「うん……あたしってさ、男女問わず人気あるでしょ?」
「え? うん」
そのことに嬉しいとか恥ずかしいとかって思いを浮かべるより先に、もう一つのことに思い当たった。
『その女、お前の女じゃないのか?』
そう言ったのは、日葵からヘアクリップを奪い取って路地裏に投げ込んだ男。
あたし達を襲って、日葵をどうにかしようとしていた男。
あれは、つまり……。
「あ……じゃあ、日葵が襲われたのは……」
あたしのせいだ……。
頭のてっぺんから、血の気がサァー……と落ちていくような感覚がした。
「っごめんなさい日葵……昨日襲われたのって、あたしがあのヘアクリップを渡したから……っ!」
知らなかったこととはいえ、あの赤い花のモチーフが付いたものでなければ襲われることはなかったんだ。
「落ち着いて美桜。わざとじゃないのは分かってるから」
「でも……でも!」
「大丈夫!」
取り乱すあたしを日葵は抱きしめて背中をポンポンと叩いてくれた。
「あたしは気にしてないから――って言っても美桜は気にしちゃうよね……」
人の体温に少しだけ落ち着いたあたしに、日葵は申し訳なさそうな笑みを向ける。
「だからあたしも懺悔させて?」
「ざん、げ?」
「うん……あたしってさ、男女問わず人気あるでしょ?」
「え? うん」