ロート・ブルーメ~赤花~
 突然の話題転換に少し面くらう。

「そんなあたしが、美桜みたいな大人しい子に近付いた理由」


 あたしに近付いた理由……。

 確かにはじめはどうしてあたしを気にかけてくれるのかなって思ってた。

 でも、話したり一緒に遊んだりしているうちに結構気が合うところとかもあって……それでいつの間にか親友と思えるまでになった。


「もちろん今では本当に親友だと思ってるよ? でもはじめはね……あたし、どうしても黎華街に行きたかったから……だから、美桜が月に一度黎華街に行ってることを知って近付いたの」

「……」


 ああ、そっか。

 特に怒りとかは湧いて来ず、ただ納得する。


 黎華街に行きたかった理由は愁一さんだろう。

 それは昨日と今日の様子を見れば分かる。


 そのためにあたしに近付いたと聞かされて……まあ、いい気分にはなれないけどだからと言って嫌な気分にもならなかった。

 どんな理由だったとしても、今はどちらも親友だと思っているんだから。


「これが懺悔。昨日のことは突然行きたいって言ったあたしにも責任があるんだから、美桜がそこまで気にする必要はないよ」

「……うん」

 一応そう返事はしたものの納得していないあたし。

 そんなあたしに日葵は優しく微笑んだ。
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