ロート・ブルーメ~赤花~
「そうしたらあの人、突然機嫌が良くなって……そしてそれを渡されたの」
その言葉に促されるようにもう一度リングを見る。
内側に何か光るものが見えた。
「美桜に、『これと交換だ。大事なものなら、取り返しに来いよ』って伝えろって……」
「これと交換……」
紅夜は何を考えてそんなことを言ったんだろう。
日葵にこれを渡した時点ではそのあとまた会えるかどうかは分からなかったはず。
ってことは、あたしを自分のところに来させるため?
大事なものなら、すぐに取りに来るだろうと思って?
昨夜の紅夜の様子ならそれもあり得ると思った。
彼が言ったことが真実なら、最初の男達からあたしを助けた時点で紅夜はあたしを抱こうと思っていたみたいだから。
でも、時間ギリギリになってしまってまた絡まれたあたしを紅夜は見つけて助けてくれた。
そうして会えて、あたしは紅夜のものになった。
だったら、ヘアクリップを返してくれても良かったのに。
このリングのことだって、話してくれれば次に会ったときにちゃんと返して――っ!
そこまで考えて紅夜の言葉が蘇った。
『賭けをしようか?』
あたしが負けたらいつでも紅夜の元へ行くという約束の賭け。
まさか、その賭けに勝つためにあえて黙っていた?
それを裏付けるように、日葵がもう一つ言葉を続ける。
「『一週間以内に来い』って、言っていたわ」
その言葉に促されるようにもう一度リングを見る。
内側に何か光るものが見えた。
「美桜に、『これと交換だ。大事なものなら、取り返しに来いよ』って伝えろって……」
「これと交換……」
紅夜は何を考えてそんなことを言ったんだろう。
日葵にこれを渡した時点ではそのあとまた会えるかどうかは分からなかったはず。
ってことは、あたしを自分のところに来させるため?
大事なものなら、すぐに取りに来るだろうと思って?
昨夜の紅夜の様子ならそれもあり得ると思った。
彼が言ったことが真実なら、最初の男達からあたしを助けた時点で紅夜はあたしを抱こうと思っていたみたいだから。
でも、時間ギリギリになってしまってまた絡まれたあたしを紅夜は見つけて助けてくれた。
そうして会えて、あたしは紅夜のものになった。
だったら、ヘアクリップを返してくれても良かったのに。
このリングのことだって、話してくれれば次に会ったときにちゃんと返して――っ!
そこまで考えて紅夜の言葉が蘇った。
『賭けをしようか?』
あたしが負けたらいつでも紅夜の元へ行くという約束の賭け。
まさか、その賭けに勝つためにあえて黙っていた?
それを裏付けるように、日葵がもう一つ言葉を続ける。
「『一週間以内に来い』って、言っていたわ」