ネトゲ女子は社長の求愛を拒む
新しい仕事は社長秘書!
有里(ゆり)が社長秘書!?」

「そうだ。弟よ。私は明日から秘書だ恐れ敬うがいい。

私はあのボスフロアで働く―――雑魚敵?
いやいやいや!!
せめて『ここまでよくたどり着いたな。この先は行かせん!』くらいのセリフが欲しいわね。

「大丈夫なのか。その会社」

「どういう意味よ!」

カカカカッと連打しながら回避行動をとり、攻撃に備える。
あぶなーい!
死ぬとこだった。
黒ひげ危機一髪と同じくらいドキドキしたわよ。今。

「回復しろよ!死ぬだろ!」

「はいはい。あー、もう。回復苦手なんだよね」

「なんでヒーラーで来たんだよ!」

「皆まで言わせるな!弟よ。新しい武器を使いたかったからだ!」

この杖、可愛いんだよね。
見た目が派手でいい。
そして、なにより攻撃力がある。
攻撃は最大の防御―――なんて素晴らしい武器。

「回復が仕事なのに回復量減らしてまで、その杖の意味あるか」

「大丈夫、殴ってるから」

「大丈夫じゃねえ!!」
< 10 / 135 >

この作品をシェア

pagetop