ネトゲ女子は社長の求愛を拒む
直真さんの部屋にはバーがある。
バーテンダーをしていたこともあり、カクテルを作れるらしい。
これはモテただろうなあ。
圭吾兄ちゃんも直真さんにはこうスタイルがよくて、色気がある女の人をよく連れていたっていうし。

「ふーん……」

なんとなく面白くない気分で眺めていた。

「ただいま。なに玄関先で突っ立ってるんだ」

「うわっ!おかえりなさい」

「なにを驚いているんだ?」

気配がなかったからね?

「思ったより早いなと思って」

「今から、ゲームするつもりだったろうが、一日二時間。今日はもうだめだからな」

親より厳しい。なんで、今日はもう二時間分終わったってわかるんだろう。
鬼か。この人は。

「なんか食べてきたんですか?」

「ああ、寿司」

「回らないやつですか」

「当り前だろ!?」

はぁー…贅沢ですねえ。

「なんだ。寿司の土産欲しかったのか?」

「違いますー」
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