ネトゲ女子は社長の求愛を拒む
声が上ずらないように気を付けた。

有里(ゆり)。俺がいないからって、不健康な生活はやめろよ。ゲームは二時間にしろ。肌荒れるぞ』

ぐっ!きたよ。正論攻撃。
けど、そんなことでこの私が動じるとでも?
数々の難敵を葬ってきたこのゲーマーたる血がこの大ボスに立ち向かえと言っている。

「わかってますよ!」

『わかってない』

「なっ!」

なぜ、わかる!?きょろきょろと部屋を見回した。

『ピザ食って、ゲームしてるだろ』

「監視カメラ!?」

直真さんならやりかねない。
っていうか、やってそう。

『必要ない。俺が出張行くって言った後、ゲームしながら、宅配ピザのサイトをにやにやしながら、見ていたからな』

なんだよ、探偵かよ。

「もー。いいじゃないですか。浮気するわけじゃなし」

「なに開き直ってんだ!」

バンッと玄関のドアが開いた。

「嘘つきー!」
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