ネトゲ女子は社長の求愛を拒む
「息子の結婚を反対していたのは知っていたが、宮ノ入の力を使って相手の女に嫌がらせして追い詰めやがった」

「ドラマみたーい」

「なにがドラマみたーい、だ!こっちの苦労を考えろ!行方をくらませるつもりだったんだろうが、運転手に行先を吐かせて、迎えに行ってきた」

「私も行きたかった。それって駆け落ちじゃないですか!」

ロマンチック。
思わず、両手を胸の前で合わせてしまう。

「なあ、有里。俺が誰かに理不尽に怒られていたら、どうする?」

まじまじと直真さんを見た。
ふむ。怒られるところか。

「たまに怒られた方がいいんじゃないですか?」

直真さんはひきつった笑いを浮かべていた。

「お前、俺の事、本当に好きなのか!?」

「何言ってるんですか、怒られて弱った所を慰めてあげますよ?むしろ、泣く姿なんか、ご褒美ですね」

「絶対にお前にはそんなところ、見せるか!なにが、ご褒美だ!」

「えー、見せて下さいよ」
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