ネトゲ女子は社長の求愛を拒む
「はい、終わりー」

「よし、勝ったな」

勝てばいいのだよ、勝てば。
キャラをギルドの拠点に戻してっと。

「あんたたち。こんな夜中にまたコーラ飲んで!!有里!ポテトチップスまで食べたら、豚になるよっ!」

麦茶を飲みながら、お風呂上がりの母親が茶の間に顔を出した。
そういうあなたもお風呂に入る前、テレビドラマ見ながら、食後のアイス食べていましたよね?しかもハーゲンダッツ。
私や伊吹(いぶき)にはスーパーのアイス安売り五本入り箱アイスから一本ずつしかくれなかったのに。
ふん。コーラはもう私したら水よ、水。
MP回復するアイテムなんだからね。

「コーラは私の血液と同じなのよ」

「有里。あんた、もう若くないんだから」

「なにをおっしゃいますか。お母様。私はまだ二十六歳でーす」

はあ、と母親はため息を吐いた。

「二十代なんてね。あっという間だよ。付き合ってる人はいないのかい」

「いないな」
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