ネトゲ女子は社長の求愛を拒む
バシッとデコを叩いて起こした。
「いっ、痛っっ!?な、なに!?あ、おかえりなさい。寝オチしてました」
黒いゲームパットを片手にむくりと起き上がった。
パソコンの画面の中ではキャラが壁にぶつかったまま、動かない。
そんなことはいい。
「ちょっと優しく起こしてくださいよ」
額をさすりながら、有里は文句を言った。
文句を言いたいのはこっちの方だ。
「有里。今すぐ俺の画像を全部消せっ!」
「え?画像ですか?」
「お前が俺を隠し撮りしたやつだ!」
「あー」
パソコンのキーを叩き、フォルダを開いた。
「見ます?私のマイ直真さんフォルダを」
なぜか、有里はドヤ顔をしていた。
「フォルダがあるのかよ!」
「仕事をしてるとこ、朝の支度中、うたた寝とスーツを脱ぐとことか」
「変態か!」
「え?かっこよくないですか?私の大事なコレクションなんですよ」
「かっこいいって、お前」 
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