ネトゲ女子は社長の求愛を拒む
「まあ、いい。俺も別に結婚式は派手にしたいとは思っていない。旅行はどこでもいい」

「じゃあ、なんでこんなパンフレット」

「お前が規格外すぎる」

バサバサと頭の上でパンフレットを扇ぎながら、直真さんは言った。

「結婚式に憧れとかあると思うだろ?新婚旅行にも」

「ないですねー」

「そのようだな」

ぼすっと頭の上に手のひらをかぶせた。

「次からはすぐに言え。お前の頼みならなんでも聞いてやる」

「本当ですか!?じゃあ、あのゲーム二時間までルールをやめてくださいよ!」

「ふざけんな。あれは続行だ」

「うそつきー!なんでも聞いてくれるって言ったじゃないですかー!」

ぼすぼすぼすっとクッションで床を叩いた。
すっと直真さんは立ち上がり、棚のほうへ歩いていった。
なにを持ってくるのかと思ったら、分厚いファイルで『宮ノ入関係』と書いてある。んんっ!?

「なんですか、それは」

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