ネトゲ女子は社長の求愛を拒む
「なるほど。営業部に行けば、いいのね」

営業一課にいくと、美人できつめな女の人達が数人、待ち構えていた。

「あなたが新しい秘書?」

「あのー。会議資料は?」

「なんて、名前?」

「会議資料ください」

「話を聞きなさいよ!」

必要なことしか話したくないんですが。

「新しい秘書の木村有里です。資料ください」

「そこにあるわよ」

バッとその場でチェックし始めると、全員、ギョッとして、こっちを見る。

「3ページと18ページが抜けています」

「知らないわよ」

「いいがかりだわ」

はっとして、時計を見た。
まさか―――私を定時で帰さないつもりか。

「すみません。会議資料のデータください」

気の弱そうな男性社員に言うと、こくこく首を縦に振った。
営業一課のパソコンにUSBを差し込んだ。

「どれですか」

「は、はい。これです」
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