ネトゲ女子は社長の求愛を拒む
気になる秘書《社長視点》
「ふーん。仕事はできるな」
手早いし、余計なことは言わないし、要領も悪くない。
そしてなにより、必要以上にこちらに関わってこない。
仕事だけの関係。
そんな割りきった女、木村有里が秘書になり、一ヶ月が過ぎた。
今までの秘書ならば今頃、強引に迫ってきたり、誘ってきたり、なにかしらのアピールをして、邪魔なことこの上なかった。
こっちが相手にしないと、腹を立てるか、期待はずれのような態度で辞めて行ったのだが、木村有里はまったくそんなことはなく、業務を黙々とこなしていた。
まあ、助かると言えば、助かる。
おかげで残業時間も減った。
美桜さんの人を見る目は確かだったということだろう。