ネトゲ女子は社長の求愛を拒む
メロンに切り目をいれて、弟に差し出した。
コップに氷をいれ、切ったメロンをいれ、サイダーをそそぎ、あとはポテトチップスを―――って。

「ポテチがない!私のポテチがあああ」

「あ、俺が食べた」

「何してくれるんだよ!!」

「お腹すいたから」

「私のポテチだ!返せ!」

伊吹の肩を掴み、がくがくと揺すった。

「わかった!わかったから、コンビニ行って、買ってくる!」

「え、じゃあ、一緒に行こうかな。補給物資がないと前線で戦えないからね。買いだめしておこ」

財布と携帯だけ、持ち、伊吹と外に出た。
ちょっとラフな格好だけど、まあいいや。

「姉ちゃん、チョコも買うのか」

「チョコは疲れた頭にいいからね」

「なにが疲れた頭だよ。朝からゲームしかしてねーだろっ!チョコ、ポテチ、チョコ、ポテチの無限ループ地獄にハマるぞ」

確かに。 

「だが、それがいい!」

「あ、そう」
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