ネトゲ女子は社長の求愛を拒む
弟は呆れながら、ポテチの袋を手にしていた。
そして、自分用にちゃっかり新作を買っている。
これだから、末っ子は。

「さー、帰ったら、またダラダラしよー」

まだ日曜日は終わらない。
スキル上げでもしよっと!


◇ ◇ ◇ ◇ ◇


月曜日、家の前に黒塗りの車がとまっていた。

「おはようございます」

運転手さんが挨拶をする。

「はあ、おはようございます。なにかありました?」

直真(なおさだ)様がお待ちです」

「社長が?」

う、うわあ。
改めてみるとえらそーな車だな。

「どうぞ」

ドアを開けてくれた。

「あ、どうもありがとうございます」

「おはよう。有里さん」

朝に相応しいさわかな笑顔で社長が座っていた。

「すみません。なにかトラブルがありましたか?」

「とりあえず、乗ってくれるかな」

「はい」

「社長秘書という立場上、妬まれて他の社員から嫌がらせを受けると思うのですが、大丈夫ですか?」
< 47 / 135 >

この作品をシェア

pagetop