ネトゲ女子は社長の求愛を拒む
「あ、それは。なれているので、大丈夫です」

あるあるだよね。
レア装備とか、高額装備を身に付けてると知らない人に絡まれる。
そんなものだ。
仕方ない。

「世の中、そういうこと多々ありますよ。気にしたら負けですよ」

気遣い屋さんだなあ。もう。
社長は難しい顔でうーん、と唸っていた。
どうしたのかな。

「もし、迷惑でなければ、毎朝迎えにくるつもりだったんですが」

「いえ、結構です」 

即答した。
そんなことされたら、バージョンアップ当日にずる休みじゃない、大人の正しい有給休暇の使い方ができなくなるじゃん!

「秘書というより、雑務係ですし、そこまでしていただかなくても平気ですから」 

「そうですか。必要なら、言ってくださいね」

「はい、ありがとうございます」

会社に着くと、駐車場から先に出た。
一緒に出社したら、それこそ、何を言われるやら。
受付のメンバーが全員変わっていた。
あれ?
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