ネトゲ女子は社長の求愛を拒む
「だから、私との関係も長いでしょ?そろそろ結婚を考えてくれてもいいじゃない?」
「最初に言ったはずた」
「結婚の話を出したら、別れるって話?」
「そういうことだ。もうここにはこない」
「ちょっと!直真!」
振り向くこともなく、部屋を出た。
タバコを吸おうとして、取り出した箱は空だった。
タクシーで帰る前にコンビニをのぞくと、のんきそうな顔で菓子を選ぶ木村有里がいた。
確か―――家はこの近所だったか。忘れていた。
ノーメイクでラフな格好をし、一緒にいる若い男と楽しそうに話していた。
幼い顔をしているが、整った顔をしている。
頭痛のせいか、声をかけれず、仲よさげな二人を遠くから見ていた。
信用している相手にはあんな安心しきった顔をするんだな、と思った。
多分、自分にはそんな相手は一生現れないだろう。
わかっている。
ガラス一枚の隔たりが、遠いものに感じた。
「最初に言ったはずた」
「結婚の話を出したら、別れるって話?」
「そういうことだ。もうここにはこない」
「ちょっと!直真!」
振り向くこともなく、部屋を出た。
タバコを吸おうとして、取り出した箱は空だった。
タクシーで帰る前にコンビニをのぞくと、のんきそうな顔で菓子を選ぶ木村有里がいた。
確か―――家はこの近所だったか。忘れていた。
ノーメイクでラフな格好をし、一緒にいる若い男と楽しそうに話していた。
幼い顔をしているが、整った顔をしている。
頭痛のせいか、声をかけれず、仲よさげな二人を遠くから見ていた。
信用している相手にはあんな安心しきった顔をするんだな、と思った。
多分、自分にはそんな相手は一生現れないだろう。
わかっている。
ガラス一枚の隔たりが、遠いものに感じた。