ネトゲ女子は社長の求愛を拒む
涙と熱
「社長が風邪でお休み!?」
「はい」
出社すると宮ノ入会長から頼まれたという、秘書が迎えに来た。
秘書っていうより、護衛みたいな?
強面なおじさんだった。
「本日、ここで電話番をしてろと命じられました」
電話番と言うより、金庫番みたいな人だよなあ。うん。
「駐車場に運転手を待たせてありますので、社長の様子を見に行ってもらえませんか」
「それはいいですけど」
「会長が行ったところで、なにもできませんから」
まあね。おじいちゃんだしね。
あの二人の仲の悪さを考れば、よけいに具合が悪くなりそう。
会社の駐車場に行くと、運転手さんが待っていた。
「運転手さん、ちょっとコンビニに寄ってください」
冷えピタとポカリ、あとはバナナとプリン、ヨーグルトを買って、車に戻った。