ネトゲ女子は社長の求愛を拒む
「もしかして、昨日、コンビニで買い物していなかった?」

「あー、弟です。私のポテチを勝手に食べたんで。一緒に買いに行ったんですよ」

「そうだったのか」

「もしかして。社長、女の人の所から帰ってる途中でした?」

鋭いな。
勘が良すぎるだろ。

「もう別れた」

「えー?」

「特別な相手じゃないから、まあ、いつでも別れてもよかった」

「付き合うって、特別な相手じゃないと付き合っても楽しくないんじゃないですか」

「楽しくはないかな」

確かに今まで、楽しいと思ったことはなかった。
なにかしらの利害があるから、付き合うだけだ。

「なんなら、有里さん。付き合おうか?」

「お断りします」

だから、少しは考えろよ。こいつは!

「ふーん。理由は?」

「えっ!その、社長がどんな人かわからないし」

それはこっちの台詞だ。

「私なんかじゃ、釣り合いませんよ!」

へーえ。
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