ネトゲ女子は社長の求愛を拒む
ひえっと圭吾兄ちゃんがじりじりと距離をとった。

「俺の事、脅す気ですか……」

「まあ、そういう手もあるか」

さささっと圭吾兄ちゃんは後ろに下がった。

「姉ちゃんをどうする気だ!」

「伊吹ー!」

あんたはいい弟だよ!

「は?ゲームをやめさせて、会社に連れていくだけだが?」

「姉ちゃん、会社に行きなよ……」

「ほら、さっさと用意しろよ」

くっそー!
弱点をついた攻撃をうまく利用している。

「総長、まさかとは思いますが、うちの妹相手に手を出すとかないっすよね?」

「は?悪いか」

「いやー。確かに妹は可愛いですが、そのー…今まで総長が連れていた女とは比べ物にはならないっていうか。総長なら、もっとこう…色気があって、スタイルがよくて、美人な女が合うような気が」

圭吾兄ちゃん………。
どっちの味方だよ。

「まあ、そうだな」

そうだな!?
わかってはいたけど、あっさり肯定しなくてもいいと思うんですが。
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