ネトゲ女子は社長の求愛を拒む
完全に忘れているらしく、首をかしげていた。

「まあ、誰でもいいが」

「よくないだろ!」

覚えておいてあげてよ……。

「私の店のお客さんでね。直真に復讐をしたいっていうから、一緒に連れてきてあげたの。ねえ、直真。まさかとは思うけど。その子が新しい相手?」

「違う」

即答した。

「直真。貴方は嘘をつくときは目を()らさないの。気づいてなかった?」

さすが、付き合っていただけあってわかってるなー、って感心してる場合じゃない。

「待ってください。私はまだ付き合っていません!つい数時間前まで絶交してましたし!」

「絶交!?」

「ちょっとお前は黙ってろ」

「ちゃんと訂正してくださいよ!なにさらっと黙認しようとしてるんですか?」

「直真……。こんな子供みたいな子を相手にして…」

やめてよ、その哀れみの目。
くっ!余計に惨めになるわっっっ!

「おい、こいつを殴らせろ!」
< 88 / 135 >

この作品をシェア

pagetop