ネトゲ女子は社長の求愛を拒む
「なんだ、そのせいせいしたみたいな顔は。宮ノ入に戻ったら、有里(ゆり)は秘書室に配属だからな」

「ええええ」

「一緒にいれて嬉しいだろ?」

にっこりと直真さんは微笑んだ。
私だけ早く帰って、ゲームしたいとか、思っているのバレてるな。これ。

「そうですね。わあ、うれしいな」

思わず、棒読みになった。

「今、欲しいものあるか」

今かぁ…。そうだなぁ。

「欲しいレアアイテムあって、それが、なかなかとれなくて……どうしようかと」

「そうじゃねえ!」

「じゃあ、新しいゲーム機ですかね。VRやってみたいんですけど」

「指輪だろ!?普通!」

「今っていうから、じゃないですか。それに結婚指輪はもらいましたけど」

そんな話だったのか。

「婚約指輪の分だ」

「あー…別にいいですよ。このテレビとゲーム機さえ、あれば」

「お前はっ!」

よいしょ、と立ち上がり、座って仕事をする直真さんを後ろから抱きしめた。
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