【短編】悪魔―diable―
王は、さっそくこの国で一番高い山の頂に行くと、
「わしが神になるのじゃ」
そう言って、悪魔からもらった粉を撒いた。
粉は、風に乗ってあっという間に見えなくなっていった。
しばらく経ったが、身の回りに変化はない。
王は、
「悪魔の奴め……嘘を付いたのだな?探し出して、火破りの刑にしてしまえ」
そういい、城へと戻って行った。
だけど、その粉は確実に世界中へ広がっていたのだ………………。
それを知っているのは、あの悪魔だけ…。
悪魔は、静かに笑った。