Present for you〜Gentleman side〜
その時、ジリリリリリと大きな音が鳴り響く。この音は火災報知器の音だ!

「皆さん大変です!客室で火災が発生しました!すぐに避難をお願いします!!」

ホテルの従業員が駆け込んできてそう言った刹那、パーティー会場にいた何人かがパニック状態になり、次々と全員がパニックになっていく。まずい!

「皆さん、落ち着いてください!非常口から走らず避難してください!」

俺がそう言うと、招待客は非常口にすぐに向かっていく。しかし、我先にと逃げようとするために押し合いになる。

「お前、早く行けよ!」

「どけどけ!俺は政治家だぞ。俺を優先させろ!」

このままでは怪我人が出かねない。俺が止めようとした刹那、志帆が揉み合っている人たちの間に入った。

「落ち着いてください!ここで揉み合っていれば全員避難が遅れます!」

「うるせぇ、女のくせに!!」

政治家が志帆を突き飛ばす。志帆は地面に倒れ、俺の頭に血が上っていくのがわかった。俺は素早く政治家の胸ぐらを掴み、低い声を出す。
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