Present for you〜Gentleman side〜
前に会った時、志帆はそう言ってたな……。俺が恋人じゃダメか?ってあの時言えばよかったかもしれない。

車を走らせ、パーティー会場へと向かう。パーティー会場はホテルの宴会場を貸し切って行われ、高級ホテルの最上階へと向かう。こんなところに来るのは初めてで、自分が周りから浮いていないか心配になった。

「奏(そう)ちゃん、来てくれてありがとう」

薄い紫色のドレスに身を包んだ志帆が俺の姿を見つけると駆け寄り、声をかけてくる。髪は綺麗に結われ、首にはブランドのネックレスが、耳にはピアスが揺れて、まるで月の女神のように美しい。他の男が見惚れているのかわかる。

「招待してくれるのは嬉しいけど、俺、場違いじゃないか?ここにいるのって大体が会社の社長とか、政治家とか、地位のある仕事に就いてる奴だろ?」

俺がそう言うと、志帆は誤魔化すように笑う。俺が「何だよ、言えよ」と言うと、恥ずかしそうに顔を赤くした。

「奏ちゃんは特別だから……」
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