Present for you〜Lady side〜
彼方さんはフニャリと笑うが、買ってもらうなんて申し訳ない。慌てて断ろうとしたんだけど、店員さんと彼方さんに試着室に押し込められ、服を着せ替え人形のようにたくさん試着させられた。

「うん、その格好いいね。それにしよっか」

「ア、アリガトウゴザイマス……」

彼方さんに買ってもらったのは、水色のスカートと白いブラウス。これを選ぶまでに色々着せられたため、ちょっと疲れた。でも、可愛い服が増えるのは嬉しい。

「彼方さん、私、彼方さんに何も買ってないけどいいの?」

服を受け取った後、私は彼方さんを見上げる。彼方さんは「いいの!」と言い私の頭を撫でる。

「家に帰ったらさ、その服もう一回着て見せてくれる?」

彼方さんの言ったこの言葉の意味をしっかり考えていればよかったのかもしれない……。私はもう一度「可愛い」って言ってくれるのかな、とふわふわしたことを考えながら頷いていた。

行きと同じように二人で手を繋いで帰る。違うことといえば、お互い買ったものの買い物袋を持っていること。二人の間にある温かい空気は変わってない。

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