Present for you〜Lady side〜
塗れた?そう聞く前に唇に優しく感触がした。私が目を開ければ目の前には優斗。逃げようと想っても、素早く後頭部も押さえられる。

「んっ……んんっ……」

唇を重ねる音、互いの吐息、今が夜で二人きりだから、何だか甘い雰囲気に侵されそうになってしまう。

「もう!せっかく口紅塗ってくれたのに、何でキスしちゃうのよ!」

やっと唇が離れた頃、優斗の唇には私につけてもらった口紅がしっかりついていた。優斗から感じる妖艶な雰囲気に顔を逸らすと、すぐにその顔が掴まれて優斗の方を向かされる。妖艶な笑みを浮かべ、優斗は訊ねた。

「どうして口紅を贈ったか、わからない?」




口紅「あなたにキスしたい」
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