Present for you〜Lady side〜

「こんなひどい格好じゃいけない！」

私は今、高校の時に買ったダルダルの部屋着に髪もボサボサ、すっぴん状態。こんな状態で好きな人に会いになんて行けない！すぐにクローゼットを開け、準備をする。

髪を緩く巻き、薄い紫のワンピースを着て、お気に入りのかばんを手に指定されたカフェへと向かう。そのカフェは隠れ家っぽい雰囲気があり、賑やかで華やかな場所が苦手な風雅くんが選びそうなカフェだなと微笑む。

「香織（かおり）さん、こっちです。来てくれてありがとうございます」

緑豊かなテラス席で風雅くんが微笑む。私は「誘ってくれてありがと！」と手を振った。

「何を飲まれますか？」

風雅くんがメニューを見せてくれる。コーヒーや紅茶の種類がたくさんあり、どれにしようか迷う……。

「たくさんあると迷っちゃうね〜」

「そうですね……。香織さんの好みの味だとこれとこれが飲みやすいかと思いますよ。何故かと言うとーーー」

コーヒーの豆知識を教えてもらいつつ、それぞれコーヒーと軽食を注文する。注文したコーヒーなどが運ばれてくる間、私は気になったことを訊ねた。