最後の恋だと、笑って下さい。
☆
貴方に出逢えたのは、きっと。
私の人生の中で、最高の奇跡だったと思う。
「────て……っ!
ここから出して下さいませ、お母様!」
そこは、光の遮断された暗い塗篭の中。
突然引き摺られ、室内に放り投げられ、扉を閉ざされたのだ。
閉じ込めたのは、私の実母。
参議の父の、正妻の女だった。
母からの愛情がないことは、知っていた。
嫌われていることも、知っていた。
きっと、母にとって私という娘は、目の上のこぶ。
いない方がよかったと、本当は産みたくなかったのだと思われていることも、ちゃんと知ってる。
だから、今日もこうして塗篭のなかに閉じ込められているのだ。
貴方に出逢えたのは、きっと。
私の人生の中で、最高の奇跡だったと思う。
「────て……っ!
ここから出して下さいませ、お母様!」
そこは、光の遮断された暗い塗篭の中。
突然引き摺られ、室内に放り投げられ、扉を閉ざされたのだ。
閉じ込めたのは、私の実母。
参議の父の、正妻の女だった。
母からの愛情がないことは、知っていた。
嫌われていることも、知っていた。
きっと、母にとって私という娘は、目の上のこぶ。
いない方がよかったと、本当は産みたくなかったのだと思われていることも、ちゃんと知ってる。
だから、今日もこうして塗篭のなかに閉じ込められているのだ。