最後の恋だと、笑って下さい。


 何だろう。
 体を包んでくれる、ふんわりと優しい温もりが、久しぶりにとても心地いい。

 目覚めるのも勿体なくてうとうとと微睡んでいると、やんわりと頭を撫でられた。

(…………あ、この手の感触……好き……)

 その手のひらの感触が肌に馴染んで、とても心地いい。
 絶えることなく、ゆっくりと一定の間隔で与えてくれる感触に、私は思わずうっとりと微笑んだ。

「………ふふ。頭を撫でられるの、好きかい?」

 すると、どういうことか、くすりと笑う声がする。
 こんなにも穏やかな笑い声を初めて聞いた私は、何だろうと重たい瞼を必死に押し上げた。
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