confused me
「...意外とおっきいんだね、ナニとは言わないけど」


「......律さん、目線でバレますよ」


変態な彼を横目に、お風呂場に入る。
とても広くて、二人でなんて余裕だ。


「あ、体は僕が洗うから、安心してね」


「...どこに安心しろと?」


そんなふうに言い合いながらお風呂に入る。
お風呂の中によくある、デジタル時計を見ると、時刻は18時42分。

日付がないことが惜しい。


「手枷の痕、ついちゃったね」


そう言いながら、彼は私の手首を舐める。
その奇妙な行動に、目を細めた。

そして、また彼は私の頬に触れた。


「そんな目も可愛いよ...もう、君がこれからそばにいてくれると思うと...幸せだ」


彼は私のことを知っている。

でも私は彼のことを知らない。


なんて不利な状況だ。
彼の弱点ひとつさえ分かればいいのに。
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