confused me
「君が見るのも、考えるのも、感じるのも、全部僕でいいんだ。」


「...いっ、たい...」


「痛い?あははっ、僕も胸が張り裂けそうなほど痛いよ...君のせいで、君が、君が...君が僕以外のことを考えるから!!!」


彼の目には殺気しか残らず、先程までの柔らかい笑みも、声も、何も無かった。


「どうして君はこんな酷いことしても、まだ...まだ、その目で見るの?」


理解できなかった。
鏡なんてないこの部屋で、自分の髪型も、頬の赤みも、目も、なにもわからない。

だから、彼の言うその目なんて、どの目かわからなかった。


「こんなにも...僕は君を閉じ込めて、自己満足だけを得てるのに」


彼は悔しそうに嘆く。そして、私の肩を掴んで押し倒した。


「好き...優里が、好きすぎて壊れてしまいそうだ」


そう涙を流す彼に、私は何も言ってやれなかった。
< 20 / 100 >

この作品をシェア

pagetop