confused me
彼は仕方なさそうに、私の手枷を外す。
そして私は、彼の首に手を回した。


「ふふ、これであなたに触れられますね」


「...そうやって可愛いことばっかりして、僕のこと乱すようならまた縛るよ」


「本当は嬉しいんでしょう?」


彼は照れくさそうに笑って、私の方に顔を埋める。
息がかかって、少しくすぐったい。


「ほんとに...中学三年生って、こんなにませてて生意気なんだね」


「そのませてて生意気な子供を好きになったのは誰でしょうね」


「ああ言えばこう言う」


彼は嬉しそうだった。

...私の事で喜んでくれているのなら、何も思わない。
でも、ほかの人のことで機嫌を良くしているのなら...


嫉妬。その二文字に脳を支配されるだろう。


彼が誰なのか、全くと言っていいほど思い出せない。
しかし、私にあれだけ好きだと言っておきながら、他人との関わりを大事にしているのは妬ける。

不思議だ。その一言に尽きた。
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