confused me
「私のどこが好きですか?」


思い切って質問する。
目を見開いて、彼は言った。


「ずいぶんと、今日は大胆だね」


「...せっかくだから、もう少しあなたのことも知ってみようかと」


「ふふ、好きなところかぁ...答えきれないくらいあるよ」


「どれだけ長くてもいいから、答えてください」


彼は指をおって数えながら言う。


顔、スタイル、肌、目、唇、鼻筋、首、体温、声、心地良さ、優しいところ、可愛いところ、大人びているところ、頭の良いところ、寝顔、笑顔、泣き顔、指、手首、足、太もも......


途中で数えるのを辞めるほどに、彼は沢山答えた。

覚えきれないほど。
そして彼は、私を力いっぱい抱きしめる。


「抱き心地も好き。でも潰れちゃいそうで、ちょっと怖いかな」


「人間は簡単に潰れませんよ」


「ふふ、優里はトクベツだから」
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