confused me
「ボスに会いに行く」


スニーカーを履いて外に出る。
久々に太陽を見て、眩しいと感じた。

...あの家にいた時も、外には出ていなかった。

いつぶりの日光だろうと外の空気をめいっぱい吸い込む。


「...助手席に乗り込め」


彼は運転席に、私は助手席に乗り込んだ。


「それで...そのボスが、何と?」


「お前に会いたいらしい...リツの弱みを握るためだろう」


彼の弱み。
そう考えて思いつくものは何も無い。

強いて言うなら、私くらいなものだろう。

私が出ていくといえば、彼はまるで別人かのように人格が変わって、私の首を絞めにかかる。

他人の目に晒すものなら殺してしまえ、そう言うかのように。


「面倒事ですか」


「リツに閉じ込められている時点で、面倒事に変わりはないだろう」


ウインカーをだす。
大通りに出ると、青色の看板があった。

...知らない地名。ここはどこなのだろう。


「リツは重症の意識不明だ」


そう言って彼は、高速道路の横の道に入っていった。
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