confused me
そしてあの男は最後に言った。


「...もし君が彼から離れないのならば、遠慮なく彼の首を獲る。しかし、離れるというのならば生かす」


その言葉を自身の口で復唱する。
離れるべきか、ここにいるべきか...

私自身としてはどうしたいのだろう。

未だに動かない体が答えのようなものだ。


彼の幸せを願うなら、きっと離れるべきだ。

でも、彼を愛しているなら―――?


頭の中がぐるぐるとする。
律さん、早く帰ってこないだろうか。


工藤は、期限は一週間だと言っていた。
流石に一週間で、律さんは帰ってこれないはずだ。

つまり、彼が私の失踪を知るのはかなり後なわけで。

...やっと退院できたのに私がいないと知ったら、彼は狂うだろう。


それこそ、工藤を殺すかもしれない。
工藤を恨んで、恨んで恨んで、これ以上にないくらい。

そして私を捕まえて、もう二度と出ていかないようにと、私も刺し殺すのだ。


「......ここにいよう」


疲れた体に、目を瞑る。


「そうとなれば、やらなきゃ」


呟いて、起き上がって。
私は部屋を出た。
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