confused me
それからは、ずっとゲームをしていた。
彼が帰ってくるのを、ただひたすらに。

お腹がすいて、ゼリーを食べて、また画面に向かう。

不思議と目は痛くないし、悪くもならないし、頭だって痛くなってこない。


―――――ガチャン。



下から、1階から、ドアの音がした。

身構えて、耳をすませる。


タン、タンと、階段を上る音だって聞こえる。
ゲーム機のコントローラーを置いて、水を飲んだ。


―――――ガチャッ。



「......ゆり」


「おかえりなさい、律さん」


遅かったですね、なんて平然とした振り。
本当は抱きつきたいし、頭を撫でてほしい。

いい子にお留守番出来たねって、褒めてほしい。


「...なんでいるの?」


「......居ちゃダメなんですか」


「.........なんで出ていかなかったの?」


彼が私の横にペタンと座り込む。
私は彼の方を向いて、そっと抱きしめた。
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